大学生の巨人ファン

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ONE OUTS(ワンナウツ)感想 「お前らは 勝負というものを 勘違いしている」

皆さんが一番好きな野球漫画はなんでしょうか?
MAJOR?ダイヤのA?おお振り?それともタッチ?
わたしのベスト野球漫画はONE OUTSです(全20巻)。

作者は甲斐谷忍。ライアーゲームの作者です。ドラマで知ってる人も多いでしょう。ですがONE OUTSは、このライアーゲームをも超える、めちゃくちゃ面白い作品です。
プロ野球ファンなら、必ずハマるでしょう。
なぜか?それは、この作品が「野球」ではなく「プロ野球」をテーマにしてるからです。
なにいってんだこいつ。どっちも同じやん、と思った方はぜひこの記事を最後まで
見てください。

①作品テーマの悪魔的特異性

2巻のカバー部分に、作者のコメントが書いてあります。

あらゆる野球漫画へのアンチテーゼとしてこの作品はつくられています。

1つは、主人公のピッチャーが豪速球を投げないこと。

1つは、努力と根性が必ずしも勝利に結びつくとは限らないこと。

そして、最も重要なことは、主人公が悪党であること。 甲斐谷忍

ひねくれものの私としては、この文章でもうゾクゾクします。
主人公である渡久地東亜(とくちとーあ)のストレートは最速130㌔にも満たないです。しかも球種はこの直球だけ!どうやって打者を抑えるのか。
それは、勝負に徹する残酷さです。これは引用部分の2つめにも関わりますが、この作品は努力と根性なんぞ勝利には全く関係しません。普通の野球漫画、いやスポーツ漫画じゃ
ありえないでしょ?そしてこの部分が超大事、主人公が悪党であること。ガチの悪党、畜生、悪魔、外道。ほかの野球漫画とは一線、いや十線ぐらい画しています。テーマの特異性が、この作品の大きな魅力です。

②試合展開の圧倒的奇天烈性

ありがちな野球漫画ではないことはわかってもらったとおもいますが、ONE OUTSは
試合展開もハチャメチャです。四番が打ってエースが抑える。そんなことはほぼないです。ではどんなのがあんの?最も有名なのは、反則合戦です。...あのなあ渡久地、といいたくなるかも。でもこれ、マジです。打者が3塁方向に走ったと思えば、投手はプレートを踏まずに投げたり。とにかく奇抜で予測不能。作者の頭の中を覗いてみたい。


③渡久地東亜のカッコよさ

渡久地東亜は、全野球漫画で一番かっこいいキャラクターです。
プレースタイルにまず魅惑されます。野球選手としては3流と自らを称する渡久地(そんなことないですが)。一方、勝負師としての能力だけは超一流とも述べています。その一部を紹介すると、卓越した精神攻撃。彼はあの手この手で、相手の心理をコントロールします。こんな感じで、自分の短所を圧倒的長所でカバーします。


もっとかっこいいのは彼のセリフ。私が渡久地のセリフで好きなのは2つ。1つ目は、 

お前らは 勝負というものを 勘違いしている

勝つというのは 力において 相手を上回ることでも ましてや幸運を待つことでもない

勝つとは すなはち...

負かす事 蹴落とす事 つまずいたヤツを踏みつぶす事 ドブに落ちたイヌを棒で沈める事

ぱっくり開いたキズ口に塩をすり込む事 勝ち残るとは屍を超える事だ...

決して美しい事じゃない むしろ残酷な事なんだ それでも頂点に立ちたいと言うのなら

鬼になれ

渡久地はリカオンズというクソ雑魚チームにむけて発するセリフ。
このリカオンズのメンバーに、渡久地イズムが浸透するのも必見です。プロ野球選手とは、勝つのが仕事過程などどうでもいいのです。
それが冒頭で述べた、野球とプロ野球の違いであると思います。
そして2つ目ですが、これは書けません。ネタバレになっちゃうので。どこかだけ述べると、18巻のラストシーン。殺伐とした鉄火場で独りぼっちで生きる渡久地。彼の一面が見えるこのシーン。ぜひみてください!

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